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遺言・相続でのお悩み、ご相談ください!≪い ろ は に≫
残念ながら、人は、必ず、いずれは死にます。
しかし、その亡くなった人の財産も同時に消滅するわけではありません。
そこで、この残された財産の処分等、自己の死後のことを、後に残された者に任せておく必要があります。
しかし、自分が死んだ後は、その指示をすることはできません。
そこで、生存中に、遺言というかたちで、明確に、意思表示しておく必要があります。
せっかく、配偶者や子供たちのためにと思い、財産を残したのに、
その財産をめぐって、妻や子供たちが、喧嘩や仲違いすることは残念なことです。
死後のことを遺言という形で残し、指示するということは、その意味でも道義的義務と言えるのではないでしょうか。
この遺言書を残しておくべきという子孫に対する道義的責任は、財産の大小によって影響するものではありません。
財産が多かろうが、少なかろうが、大切な財産であることには、何ら代わりがないからです。
遺言書は相続において強い法的効力を持ちます。
しかし、簡単に遺言書と言っても、民法上、厳格な様式が定められています。
この厳格な様式を満たしていない遺言は、法律上、無効とされてしまいます。
せっかく、死後の紛争予防のために遺言を残したのに、それが無効とされてしまったのでは、何の意味もありません。
このような遺言が無効になるという最悪の事態に陥らないためにも、
法律の専門家たる弁護士に、遺言書作成に関与してもらうのが、一番適切な方法であると言えます。
遺言書には「自筆証言遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
それぞれ作成方法などは異なりますが、法的に強い効力を持つことは同じです。
自筆証言遺言とは、遺言の全文を自筆で書くことです。
パソコンやワープロの使用は禁止です。
費用が掛からない、証人が不要なので内容を秘密にできる、などのメリットがありますが、
法律の定めに違反していたり、内容があいまいな場合には遺言が無効になる場合があります。
また、偽造されやすい、隠匿や紛失のリスクも少なくない、といったデメリットがあります。
自筆証書遺言は、必ず家庭裁判所で検認を受けなければなりません。
公正証書遺言とは、公証役場で公証人が遺言者から内容を聞き取り、作成する遺言書のことです。
形式面で遺言が無効になることや、偽造の恐れもなく、相続開始の際に家庭裁判所の検認も要りません。
また、原本を公証人役場で保管するので紛失しても再発行してもらえます。
ただし、その作成手数料は遺産額が大きくなればその分手数料も上がる仕組みです。
作成の際には、証人が必要になります。
未成年者、推定相続人、受遺者及びその配偶者、及び直系血族は、証人になることはできません。
また、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇用人も同様に証人にはなれません。
秘密証書遺言とは、遺言の「内容」を秘密にして、遺言の「存在」のみを公証役場で証明してもらうことです。
本人のサイン、捺印があればパソコン、ワープロの使用も認められています。
なお、公証人は遺言の「内容」まで確認をするわけではないので、
遺言としての不備があれば無効となってしまう危険性もあります。
また、保管は自ら行うため、紛失・盗難が発生する可能性があります。
自筆証書遺言と同じように、家庭裁判所で検認を受けなければなりません。
この方式は、自筆証書遺言や公正証書遺言に比べて圧倒的に少ないです。
手続きが煩雑な割に、公正証書遺言のような確実性がないためです。
どうしても遺言の内容を秘密にしたい場合以外は選択しない方法です。手数料は定額で11,000円です。
遺言書は、種類によって法律で書き方が決められています。
ここでは簡単に書き方の注意点を記載しますが、せっかく書いた遺言書に不備があっては意味がありませんので、
きちんとした遺言書を作成したいのであれば、一度弁護士などの専門家にご相談することをお勧めします。
・一言一句、全文を自筆で書くこと。パソコンやワープロの使用は禁止です。
・縦書き・横書きは自由で、用紙の制限はありません。
筆記具もボールペン・万年筆など何を使用しても構いません。
・日付・署名も自筆で記入すること。
日付は何年何月何日と正確に(何月吉日などは不可)。署名は必ず実名・フルネームで記載すること。
・遺言書には必ず押印すること。認印でも構いませんが、実印が好ましいです。拇印は避けたほうがいいでしょう。
・加筆や訂正をする時は、訂正個所を明確にし、その個所に捺印の上、署名すること。
・相続人を特定しやすいよう、相続人の名前は正確に、名前とともに、続柄などを記載しておくとよりいいでしょう。
・誰に、どの財産を、どれだけ相続させるのか、予め決めておく。
・証人2名以上の決定、公証人との日時の決定、必要書類の準備をする。
・証人2名以上の立ち会いのもとで、公証人役場へ出向くこと。
・遺言者が遺言の内容を公証人に口述すること。
(聴覚・言語機能に障がいのある方は、手話や筆談により口述に代えることができます)
・公証人がその口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせるか、閲覧させること。
・遺言者および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自が署名捺印すること。
・公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印すること。
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遺言書は、作成すればそれでおしまい、ではありません。
ご自身やご家族を取り巻く環境は、日々変化していくものですので、定期的に内容を見直すようにしましょう。
遺言書を作成したら、その保管場所には注意しなければなりません。
遺言書をあまりにも分かりやすい場所に保管すると、内容を書き換えられたり、隠されてしまうおそれがあります。
しかし、あまりにも分かりにくい場所に保管してしまうと、自分の死後に遺言書を見つけてもらえません。
これでは、せっかく作成した遺言書が、何の意味もなくなってしまいます。
遺言書の保管方法、保管場所としては、下記のようなものが考えられます。
公正証書遺言であれば、原本が公証役場に保管されます。
遺言書の存在が明らかになっても、相続人らが遺言書の内容を教えて欲しいと要求しても、
公証人がこれに応じることはないので、誰の目にも触れられずに自分の死後まで保管できます。
もっとも確実な保管方法であるといえます。
遺言書作成の際にアドバイスを受けた弁護士に保管を頼むという方法です。
弁護士は守秘義務を負っており、職務上知りえた事実を第三者に洩らすことは禁止されています。
したがって、遺言書の存在すら秘密にしておくことも可能ですし、
弁護士を遺言執行人として選定しておけば、自分の死後にもその意思を反映した相続を取り仕切ってくれます。
法定相続人など、遺産に利害関係のない親族に預かってもらう方法です。
なるべく遺産に何の利害関係がない、公正な第三者に保管してもら必要があります。
または、遺言で遺言執行者を定めた場合には、遺言執行者に預けておくのも方法のひとつです。
公正証書遺言は、公証人役場に保管されているので、相続開始後すぐに適用されますが、
それ以外の遺言書はすぐには見つけられない場合もあります。
遺言書が見つかったら、その場で開封せずに、速やかに家庭裁判所へ持って行きましょう。
勝手に開封しても、遺言書の法的効力が失われることはありませんが、
他の相続人からは遺言内容を書き換えたのでは?と疑われかねません。
家庭裁判所では、相続人立ち会いのもと遺言書が開封され、検認されます。
検認とは、遺言書の形式や状態を調査して、その結果を検認調書という公認文書にしてもらうことです。
公正証書遺言の場合は、公証人に作成してもらった時点で、公文書扱いとなりますので、検認の必要はありません。
もし遺言書が複数見つかった場合は、一番新しく書かれた遺言書が適用されます。
遺言書には日付は記載されているはずですが、先述のように、勝手に開封することはできないので、
見つかった遺言書はすべて家庭裁判所へ持っていき、検認してもらいます。
遺言の検認が終了すると、遺言内容を実現させることになります。
遺言書を実現するには様々な手続きがあり、遺言ではそれを執行する遺言執行人を指定できます。
遺言執行人は必ずしも指定しておくものではありませんが、
さまざまな手続きが必要になるため、選定しておくほうがスムーズに手続きができます。
遺言執行人の指定は、遺言の中だけで認められていて、生前の口約束などでの取り決めは無効になります。
遺言執行人は複数名の指定も可能です。
また、遺言で指定を受けた人が遺言執行人を辞退することも認められています。
遺言に指定がなかったときは、相続人や利害関係人が家庭裁判所で選任の請求を行います。
ただし、遺産分配に関する相続人同士の意見をまとめたり、時には法的な手続きを代行する必要もあるため、
遺言執行人の選定に条件はありませんが、遺言作成時に関わった弁護士などに依頼するのが一般的です。
遺言をもとに、遺産を分配する手順のおおまかな流れです。
財産を証明する登記簿・権利書などをそろえて財産目録を作り、相続人に提示します。
遺言に沿った相続割合の指定をして、実際に遺産を分配します。登記申請や金銭の取り立てをします。
相続人以外に相続を遺贈したいという希望が遺言者にある場合は、その配分・指定にしたがって遺産を引き渡します。
その際、所有権移転の登記申請も行います。
遺言執行の手続きがすべて完了したら、遺言執行人へそれに応じた報酬を支払います。
報酬額は遺言でも指定できますし、家庭裁判所で定めることもできます。
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相談料は30分ごと3300円です。一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。